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青い光当て脊髄損傷回復 名古屋市大が発見

損傷したラットの脊髄神経細胞に青い光を当てると、細胞の成長を促すタンパク質が増えて損傷部分が回復することを、名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授と原田直明准教授(ともに血液学)が発見した。

 「運動まひや認知症などの治療への応用が期待できる」(岡嶋教授)という。9月に名古屋市で開かれる日本神経科学大会で発表する。

 ラット10匹の脊髄を傷付け、うち5匹に波長470ナノメートル(ナノは10億分の1)の青い光を毎日20分間、3週間にわたり当て続けたところ、歩行可能なレベルまで回復。光を当てなかった残る5匹はまひしたままだった。

 何もしないラットに比べ、光を当てたラットの神経細胞はサイズが大きくなっており、細胞を分析すると、成長を促すタンパク質「インスリン様成長因子1(IGF1)」が約1・7倍増えていることが判明。

 岡嶋教授らは、青い光の刺激でIGF1が増えたため細胞死が抑制された一方、幹細胞の分化や若い細胞の成長が促されたと結論付けた。

 岡嶋教授は、体の一部としてもともとある細胞の成長を促す今回の方法は「移植より安全な治療法につながる可能性がある」としている。