自然療法のクシロ薬局

塗油、香油

塗(ず)香(仏教儀式の前に「清め香」として粉末の香を手に塗り口から深く息を吸い込んで体中を清めるお香)

香の十徳......

感銘鬼神 清浄心身 (鬼神を感格し 心身を清浄にし)
能除汚穢 能覚睡眠 (能く汚穢を除き 能く睡眠を覚まし)
静中成友 塵裡偸閑 (静中に友と成り 塵裡に閑を偸む)
多而不厭 寡而為足 (多くして厭わず 寡くして足れリとす)
久蔵不朽 常用無障 (久しく蔵して朽ちず 常に用いて障りなし)

仏教の代表的経典『華厳経』には、『塗香の功徳』として、「香りを塗ると精気を増進し寿命を延ばす。体を強壮にし、顔色を良くする。心を楽しくさせる。」等と書かれています。

一般にはリラクゼーションのためにお香を使うことが多いようですが、昔からお香には10の徳があるとも言われています。そういう訳で本日はそれもご紹介したいと思います。

ちなみに香之十徳は一休禅師作という言い伝えがあります。

  1. 感格鬼神=感覚が研ぎ澄まされる。
  2. 清浄心身=心身を清浄にする。
  3. 能払汚穢=よく汚穢を払う。
  4. 能覚睡眠=よく睡眠を覚ます。
  5. 静中成友=静かな中で友となる。
  6. 塵裏愉閑=仕事中に一息つける。
  7. 多而不厭=多く使っても嫌にならない。
  8. 募而知足=少なくても足りる。
  9. 久蔵不朽=永い間貯蔵しても朽ちない。
  10. 常用無障=常に用いても害がない。

また、華厳経には、以下のように説かれています。

  1. 精気を増益する。
  2. 身体を芳潔にする。
  3. 身体の温涼を調節する。
  4. 寿命を延ばす。
  5. 顔色をひきたてる。
  6. 精神を爽快にする。
  7. 耳目を鋭くする。
  8. 健康にする。
  9. 媚態と愛嬌を増す。
  10. 品位を高める。

以上です。

まるで、御香だけでかなりのことが出来るような効能の書き方ですね。 ただ、日常は定番のモノを使えばいいですが、本当は神仏ごとに好まれる御香や修法ごとに使うべき御香の種類や組み合わせ、量などが決まってありますので、御香の法を完全にマスターしている方は実はあまりいません。